反復経頭蓋磁気刺激療法(附属病院)

※かかりつけの医師から紹介を受け、当院を受診いただいた後、rTMS療法の適応の有無については2名の専門医が判断します。

適応の有無は日本精神神経学会が公表しているrTMS適正使用指針に基づきます。

適応外と判断された場合はrTMS療法を受けることができません。

当院への受診が、rTMS療法の実施を保証するものではない点にご留意ください。

反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)とは?

専用の医療機器を用いて、脳に繰り返し磁気刺激を与えることで、特定の脳の活動を変化させ、うつ病の症状を緩和する治療です。

米国をはじめとした海外では、うつ病の治療に広く実施されています。

対象となる患者様

  • 十分な薬物療法を受けたにも関わらず、治療効果が得られない中等症以上のうつ病の患者様を対象としています。

rTMS療法が禁忌となる患者様

  • 磁石に反応する金属が頭部にある方、ペースメーカーを使用中の方は、治療を受けることができません。
  • てんかん発作がある方、妊娠中の方などは、治療を受けることができない可能性があります。

rTMS療法が適応外となる患者様

  1. 18歳未満の若年者
  2. 同一の抑うつエピソードにおいて、過去に rTMS 療法を受けたことがある場合
  3. 明らかな認知症や器質性あるいは症状性の気分障害を呈する場合
  4. 以下に挙げる疾患などにおいて、うつ病エピソード(中等症以上)の診断基準を満 たさない不安抑うつ症状を示す場合

    ・適応障害を含む神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害

    ・成人の人格および行動の障害

    ・広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)

    ・多動性障害(注意欠如・多動性障害)

  5. 復職支援デイケア(リワーク)などに参加可能な程度に回復(寛解)している中等 症以上のうつ病エピソードの場合
  6. 精神病症状をともなう重症エピソード、切迫した希死念慮や緊張病症状など電気けいれん療法が推奨される症状を示す場合
  7. 抗うつ薬の著しいアドヒアランス低下をともなう場合(抗うつ薬による顕著な副作 用による低耐性はrTMS療法の適応となる)
  8. 精神作用物質あるいは医薬品使用による残遺性感情障害を示す場合

・上記の適応外基準に該当しない場合でも、安全にrTMS療法を受けていただくことが難しいと判断される場合は、適応になりません。

双極性障害の方は保険適応外ですが、当院では先進医療で実施する場合があります。なお、別途実施基準がありますので、全ての患者様が適応になるわけではありません。

受診を希望される場合

  • まずは、かかりつけの医師に相談してください。
  • 当院受診の承諾が得られたら、主治医に診療情報提供書の作成を依頼し、精神神経科外来にFAX予約をしてください。

受診後の流れ

  • 外来で、rTMS療法を専門とする医師の診察を受けていただきます。
  • rTMS療法の適応があると判断された場合は、原則入院して治療を受けていただきます。ベッドの空き状況などから、入院まで少しお待ちいただく場合があります。
  • 入院後、必要な検査を実施して問題がなければrTMS療法を開始します。rTMS療法には3〜8週間かかりますが、薬物療法を優先する場合があり、入院期間が延長する可能性があります。
  • 退院時に、当院での治療経過をまとめた診療情報提供書を作成し、紹介元の医療機関での治療につなげます。

★日本精神神経学会が反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)適正使用指針を発表しています。当院では、この適正使用指針に基づき、適応の判断や治療を行います。

https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/Guidelines_for_appropriate_use_of_rTMS_202309.pdf

(医療者向けの資料です)

施設見学のご案内 (医療機関の方々へ)

当院では、随時rTMS療法の施設見学を受け入れております。「実際のrTMS療法がどのように行われているのか」、「今後、rTMS療法を導入するために、参考までに見学をしたい」といった医療関係者の方々を対象としています。

見学希望の方は、HP内の「お問い合わせ」から必要事項をご記入していただき、題名にrTMS見学、お問い合わせ内容に見学希望日(例:2021年〇月〇日希望)をご記入してください。
ご連絡いただいた後、担当者からご連絡を差し上げます。