ニューロモデュレーション研究会

About Us

ニューロモデュレーション（neuromodulation）とは、電気・磁気・薬物によって神経機能を修飾し、症状を緩和させることをいいます。わが国でも、反復経頭蓋磁気刺激療法（rTMS）や深部経頭蓋磁気刺激療法（dTMS）が導入され、治療の選択肢が広がっています。研究会のミッションは、侵襲性の低いモダリティーを選択し、国内外の企業と連携しながら、アンメットニーズに応じた医療機器開発およびレギュラトリーサイエンス研究を推進することです。

研究テーマ

  1. 双極性障害抑うつエピソードへの新規刺激条件の開発と適応拡大を目指した先進医療による検証的試験に関する研究
  2.  新規刺激条件の開発とSequential Parallel Comparison Design（SPCD）による検証的試験に関する研究
  3. 維持療法の開発に関する研究
  4. 診療ガイドラインの作成と治療戦略に関する研究
  5. 磁気けいれん療法（MST）の開発
  6. Computerized Cognitive Training（CCT）の開発

メンバー

鬼頭伸輔（附属病院）、松田勇紀（附属病院）、山﨑龍一（大学院生）

主要な研究論文

1. A 6-month follow-up case study of low-frequency right prefrontal repetitive transcranial magnetic stimulation in treatment-resistant bipolar depression. Kito S, Matsuda Y, Sewaki Y, Sekiya J, Fujii T, Noda T, Ikezawa S, Takano H, Nakazawa K, Nomura M, Setoyama S, Nakagome K. J ECT. 2017 Dec;33(4):e43-e44.

解説：治療抵抗性を示す双極性障害抑うつエピソードに対して、右前頭前野への低頻度rTMS療法を実施し、6か月間の経過観察を行った症例研究です。J ECTに掲載されました。この知見をもとに、低頻度rTMS療法を先進医療として申請しました

2. Magnetic stimulation therapy for mood disorder. Kito S. Brain Nerve. 2017 Mar;69(3):239-246.

解説：うつ病と双極性障害へのrTMS療法と磁気けいれん療法（MST）についてまとめた論文です。BRAIN and NERVEに掲載されました。日本語で読むことができます。

3. Transcranial magnetic stimulation modulates resting EEG functional connectivity between the left dorsolateral prefrontal cortex and limbic regions in medicated patients with treatment-resistant depression. Kito S, Hasegawa T, Takamiya A, Noda T, Nakagome K, Higuchi T, Koga Y. J Neuropsychiatry Clin Neurosci. 2017 Spring;29(2):155-159.

解説：治療抵抗性うつ病患者の安静時脳波をsLORETAで解析し、rTMS療法が背外側前頭前野と辺縁系領域における機能的結合を変化させることを報告した論文です。J Neuropsychiatry Clin Neurosciに掲載されました。

4. Clinical application and safety of rTMS in Japan and overseas. Kito S. Seishin Shinkeigaku Zasshi. 2015;117(2):103-9.

解説：日本精神神経学会の機関誌である精神神経学雑誌に掲載された論文です。国内外におけるrTMSの現況、安全性に関する留意点についてまとめたものです。日本語で読むことができます。

5. Transcranial magnetic stimulation for bipolar disorder with catatonic stupor: a case report. Takamiya A, Kishimoto T, Watanabe K, Mimura M, Kito S. Brain Stimul. 2015 Nov-Dec;8(6):1236-7.

解説：緊張病性昏迷を呈する双極性障害に対して、rTMS療法が奏功した症例報告です。Brain Stimulに掲載されました。

6. High-frequency left prefrontal transcranial magnetic stimulation modulates resting EEG functional connectivity for gamma band between the left dorsolateral prefrontal cortex and precuneus in depression. Kito S, Pascual-Marqui RD, Hasegawa T, Koga Y. Brain Stimul. 2014 Jan-Feb;7(1):145-6.

解説：rTMS療法が安静時脳波の機能的結合を変化させることを初めて報告した論文です。刺激部位である左背外側前頭前野と後部帯状回に位置する楔前部のγ帯域が逆相関をもって増強されます。Brain Stimulに掲載されました。