臨床脳波・てんかん研究会

About Us

脳の生理機能検査には通常の脳波検査のほか、記録法あるいは解析の違いによってポータブル、長時間記録脳波、終夜睡眠脳波、MSLT(睡眠潜時反復検査法)、PSG(終夜睡眠ポリグラフ)、さらに誘発電位・事象関連電位検査などさまざまな検査があります。しかしこれらの基本はいずれも脳波です。つまり脳波検査は意識などの脳の機能を経時的に知り得る唯一の検査です。さまざまな脳疾患が検査の対象となりますが、最も有用性が高い疾患はてんかんです。てんかんは有病率約1%を占める高頻度の神経疾患で、超高齢化が進む本邦においては、80歳以上の発症率は幼児期のそれを凌ぐまでとなっています。多彩な発作がみられるとともに、ライフサイクルからみると、小児期には年齢依存性や多様な病因によるてんかんがみられ、就学における課題があり、成人期には就労、運転免許取得の可否、女性では服薬と妊娠・出産の問題、高齢発症では非定型発作が多く鑑別に注意を要すなど、横断的に、縦断的にもさまざまな課題がみられます。精神症状を合併することもあります。したがっててんかんはシームレス、包括的医療が大切な疾患です。現在、てんかん診療に携わる各科医師らとともにてんかんセンター化に向けた取り組みを行っています。

メンバー

須江洋成、曽根大地、岡部 究(柏病院)、岩﨑 弘(非常勤)