教授挨拶

主任教授 鬼頭 伸輔

主任教授 鬼頭 伸輔

東京慈恵会医科大学精神医学講座のホームページを訪問していただき、誠にありがとうございます。2024年4月1日付けをもって、精神医学講座の8代目主任教授に就任いたしました鬼頭伸輔です。当講座の歴史は古く、初代教授である森田正馬先生が精神医学の講義を開始された1903年まで遡ることができます。このような伝統ある講座を担当させていただき、身の引き締まる思いです。私は岩手医科大学を卒業後、国立精神・神経センター武蔵病院で研修を受け、杏林大学、ハーバード大学、国立精神・神経医療研究センターで研鑽を重ね、2017~2020年まで当講座の准教授を務める機会をいただき、2020年4月~2024年3月まで国立精神・神経医療研究センター病院精神診療部長として赴任いたしました。当時、まさに新型コロナ禍で診療、研究、教育への影響も大きく、何事も手探りの状態でしたが、一方で貴重な経験を有することができ、私自身、多くのことを学ばせていただきました。

 昨今、精神医学におけるサブスペシャリティ、対象とする疾患・領域は非常に多様化しています。精神科医として、気分障害、統合失調症、てんかん、認知症、睡眠障害、強迫性障害、注意欠陥多動性障害、自閉症スペクトラム障害、依存症などの比較的有病率の高い疾患に対しては十二分に対応できる技量が求められています。したがって、診療および教育方針としては、コモンディジーズにおける鑑別診断、標準治療に応じられるジェネラリストとしての技能を有し、各々が得意とする専門領域では高度・専門医療を提供できる人材の育成に努めたいと考えています。また、若手から中堅の先生方には、専門医・指定医の取得、精神科専門領域の研鑽、国内・国外留学、研究テーマの選定、学位取得などの要望を確認し、多様な働き方として、大学、総合病院、精神科病院、診療所、ナショナルセンター、研究所、官公庁などのキャリアパスを提示していきたいと考えています。

精神医学講座では、薬理・生化学、精神生理、脳波・てんかん、精神病理・精神療法、児童精神医学、森田療法、老年精神医学、総合病院精神医学、ニューロモデュレーション、発達行動医学、臨床心理などの各研究班が活動しています。私自身は、ニューロモデュレーションのほか、アンメットニーズに応じた新規治療法および医療機器開発、薬事承認および保険適用を含む出口戦略を見据えた研究開発に携わっております。ご一緒に仕事ができることを楽しみにしております。また、東京慈恵会医科大学は、2021年9月に国立精神・神経医療研究センターと連携大学院制度の協定を締結しています。したがって、精神医学講座に在籍しながら、国立精神・神経医療研究センターの研究所、センター、病院の連携大学院教員から研究指導を直接受けることができることも、当講座の特色のひとつです。

最後になりますが、諸先生方、同門のみなさまには、より一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。