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研究テーマ
森田療法は元来不安症、強迫症、病気不安症などの根底に適応不安を抱えている方に適応されてきました。その後様々な領域へ発展しています。附属病院では当大学産学連携講座「がんサバイバーシップ・デジタル医療学講座」と連携し、がんの再発不安に対する外来森田療法についての研究が進行中です。また、附属病院では様々な病態の強迫症（強迫性障害）や身体症状症（身体表現性障害）に対する森田療法の応用についての臨床研究を実践しています。第三病院では、森田療法リカバリープログラム（ショートケア）の実践・研究や、ツワブキの会（グループ療法）の効果研究が進行中です。
メンバー
舘野 歩（附属病院）
矢野 勝治（第三病院）
谷井 一夫（第三病院）
半田航平（第三病院）
市川光（光が丘医院）
黒瀬有里乃（附属病院）
金子咲（第三病院）
渡辺志帆（第三病院）
塩路理恵子（第三病院・非常勤）
久保田幹子（第三病院・非常勤）
中村 敬（第三病院）
主要な研究論文
- 舘野 歩.アルコール使用障害と森田療法～減酒治療に森田療法を活かす～.精神科治療学.39（7）795-800,2024．
解説 ：比較的軽症なアルコール使用障害の場合に、飲酒欲求を和らげるナルメフェンと外来森田療法を併用して成果を挙げている例を挙げました。本論文は第23回「精神科治療学賞」評価で次点でした（※なお、減酒外来は当院では行っておりません。関連病院の大石クリニックで実践中です）。 - 名越 泰秀, 富永 敏行, 酒井 美枝, 舘野 歩.総説.身体症状症の治療戦略―難治例へのテーラーメイド治療―. 精神経誌. 125 (12): 1010-1022, 2023.
解説 ：身体症状症に対する薬物療法、認知行動療法、アクセプタンス＆コミットメントセラピー、森田療法についての共著・総説です。 - Kazuo Tanii , Mikiko Kubota , Kei Nakamura , Akihiko Nunomura , Masahiro Shigeta. A Qualitative Study on the Recovery Process and Its Associated Factors in Morita Therapy for Inpatients with Mood Disorders. J Clin Med 2023.Sep17;12(18):6016.
解説 ：本研究は，入院森田療法によって気分障害患者が回復していく過程で，どのような主観的体験が影響を及ぼしているのかを質的データ分析法を用いて調査しました．結果，『臥褥の体験』，『自分のやり方で行き詰まる体験』，『陥りやすい行動パターンに気付く体験』，『陥りやすい行動パターンを修正する体験』，『自己評価が回復する体験』，『ネガティブな感情が変化する体験』などの9つのカテゴリーの体験がうつ病からの回復に寄与していることが判明しました． - 舘野 歩、井上祐紀、繁田雅弘.認知行動療法実施後再燃したが外来森田療法を実施し改善しているパニック症の一症例. 精神療法. 48（5）; 655-663, 2022.
解説 ：慈恵医大附属病院における認知行動療法を実施後再燃したが外来森田療法で改善しているパニック症の報告です。認知行動療法と外来森田療法の違いを述べています。 - 半田航平, 舘野歩, 布村明彦, 繁田雅弘．外来森田療法を施行されコロナ不安が改善した病気不安症の1症例. 臨床精神医学 51 (12) 1445-1448, 2022.
解説 ：新型コロナウイルス感染症が流行っていた時に、コロナ不安を持つ病気不安症患者に対して外来森田療法を実施し改善した症例を報告しました。